イノベーションワークショップ2011 第1回開催

イノベーションワークショップ2011 ~東アジアのビジネスチャンス~
第1回「中国における経済環境変化の"今"」

2011年5月20日(金)、イノベーションワークショップ2011がスタートしました。 今年で第3シリーズを迎えるイノベーションワークショップは、日本を代表する企業の次世代リーダーが集う場として、情報を共有し、意見交換や交流を深めるためのセミナーです。
今シリーズでは、全4回のテーマを「東アジアのビジネスチャンス」とし、中国、インド、シンガポールでのビジネスについて理解を深めます。
第1回目は、講師にキヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之様を迎え、「中国における経済環境変化の"今"」をテーマにご講演いただいた後、参加者によるディスカッションを行いました。

開催概要

■日時

2011年5月20日(金)18:00~21:00

■場所

フューチャーアーキテクト株式会社 (東京都品川区)

■テーマ

中国における経済環境変化の"今"

■講師

キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之様

■講義概要

2005年以降、中国経済は人民元高、労働力のコスト高、輸出優遇税制の削減といった政策により、輸出、投資、消費のバランスがとれた内需主導型の経済構造へと変化していった。
内需を推進するエンジンの中心は、都市化とインフラ建設である。都市化は住宅や耐久消費財、各種サービスの需要を誘発し、インフラ建設による交通運輸効率の改善は内陸部の産業集積を進めた。この結果、沿岸部主導だった経済成長は、2008年以降、内陸部が牽引するようになった。


中国経済の構造変化に伴い、日本企業の対中投資は、中国を「工場」から「市場」と捉えた投資へと変化した。中国人の消費行動にも変化が現れ、高付加価値の日本製品やサービスへのニーズが高まってきた。しかし、この変化があまりに大きく急激だったため、多くの日本企業はチャンスに十分対応できていない。
これからの中国は、日本企業との協力を、これまで以上に必要とする時代に入る一方で、将来リスクも指摘されている。政治面やインフレ圧力のほか、急速な賃金上昇や主要都市における流通業の寡占化など数々の問題を抱えている。加えて、2015年以降、労働人口の減少や少子高齢化が経済成長の足かせとなる可能性がある。今後5年くらいは絶頂期が続くだろうが、日本にとって非常に大きなチャンスは、あと10~15年位しかないとみた方がよい。


日中関係の融和促進には、経済・文化交流が重要な分野であり、その主役は、官ではなく、民である。民間企業や個人が、「どうなるか」ではなく、「どうするか」を積極的に考えることが大切。 この先5年、中国という大きなマーケットが開けているなか、協調発展を梃子に発展していくのが、日本にとっては大きなチャンスになる。中国の発展は日本の発展であり、日本の発展は中国の発展である。


■ディスカッション概要

テーマ:日中関係の今後をどうしていくか、中国で我々の企業はどう振舞うべきか

  • 日本ではよく5年単位で戦略を立てるが、中国だと半年といった短い単位で立てる必要がある。また、3ヶ月後にやることを1週間で決める。1年間の設備投資の計画を1ヶ月で決めていくといったように、どんどんスピードアップしていかないと、中国マーケットにはついていけない。その延長線上に中長期戦略を考えるべき。
  • 中国の急速なマーケットの変化に対応するためには、現地の変化を的確に伝えてくれる中国人の意見を尊重し、それにふさわしいポジションを与え、信頼関係とコミュニケーションの構築に努めることが非常に重要。
  • 昔から日本企業は中国市場で儲け、稼いだ収益を日本に還元することで発展した。広がりがない日本市場に留まっていれば企業の生き残りは難しい。中国やインドというマーケットにチャレンジすべきである。
  • 農業分野は今後中国とコラボレーションしていける分野であり、日本で規制されている企業による農業を中国でやるというのも1つの方向性。
  • 中国の技術水準は先進国との距離を確実に縮めてきているが、日本人は世界でも稀有なほど地道な研究開発が得意な国民なので、必死に努力すれば最後の5%は日本に追いつかないだろう。最後の5%のリードを保てるかどうかは日本人の努力にかかっており、人材育成が極めて重要。
  • ボトムアップは意思決定の早い経営者がいれば、経営者が決定した瞬間に全社の意思となるため、迅速な対応が可能になる。社長から委ねられた時に的確に応えられる有能なリーダーを育て、日本型の良いボトムアップ経営ができれば、中国でも活きる。

当日の様子

講義の様子
ディスカッション

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主催: フューチャー イノベーション フォーラム