イノベーションワークショップ2011 第2回開催

~東アジアのビジネスチャンス~
第2回「中国の変化がビジネス環境に与える影響」

今年で第3シリーズを迎えるイノベーションワークショップは、日本を代表する企業の次世代リーダーが集う場として、情報を共有し、意見交換や交流を深めるためのセミナーです。
今シリーズでは、全4回のテーマを「東アジアのビジネスチャンス」とし、中国、インド、シンガポールでのビジネスについて理解を深めます。
第2回目は、前回に引き続き、キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之様を講師に迎え、「中国の変化がビジネス環境に与える影響」をテーマにご講演いただき、参加者によるディスカッションを行いました。

開催概要

■日時

2011年6月10日(金)18:00~21:00

■場所

フューチャーアーキテクト株式会社 (東京都品川区)

■テーマ

中国の変化がビジネス環境に与える影響

■講師

キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之様

■講義概要

中国では、2009年秋冬頃から高度成長への復帰と所得水準が相まって、一人当たりGDPが1万ドルに達した主要都市が次々と各地に広がった。それにともない、中国人の消費行動は変化し、日本製品・サービスへの需要が急増しはじめた。


以前の対中投資は中国で生産したものを外国に輸出する製造業が中心であったが、最近は中国国内市場がターゲットとなり、さらに、中国国内で得た収益を再投資して増産する企業も増えている。これは中国ビジネスの収益率改善を映じた新たな動きであり、中国人の消費行動の変化に新たな対応を示しているのはサービス業である。


中国国内には高度な生産技術や経営管理、小売流通に必要なノウハウやサービスがまだまだ不足しているため、日本のサービスや商品へのニーズは急速に高まっている。中国の若い経営者は、グローバルスタンダードの重要性も認識しており、きちんと対価を払って日本の技術を活用したいと考える人も多い。反面、中国でも日本の本部サイドの経営力が問われている。中国のマーケットの特徴や必要な現地経営体制を研究もせず、工場現場管理の経験が乏しい中間管理職を現地で起用して労務管理に失敗している日本企業のケースもある。


震災後の中国との関係は非常に良くなっている。日本人の人間性、モラルに対する高い評価が中国人の間に浸透しているため、復興は日中関係を協調発展させる機会でもある。政府を動かすのもマーケットを開拓するのも企業自身、もしくは個人だという認識を持ち、中国のマーケットを掴んでいけば、「日本の発展は中国の発展、中国の発展は日本の発展」となる。


■ディスカッション概要

テーマ:中国の変化がどのように社内体制に影響を与えるか

  • 中国においては、日本側とも中国政府側ともうまくやっていける優秀な中国人パートナーを見つけることが非常に重要。また、日本企業は中国を公平に見る能力を備えた上で、中国の代表者を信頼し、Yes/Noのジャッジを素早くしていかなければならない。
  • 中国の人材をどう育成し、現地のリーダーに育てるのかということはどこの企業においても課題。その成功事例を別の会社のビジネスに展開していけば、新しいビジネスチャンスが広がる。
  • 本社側が現地のことを手に取るように把握できる状態にならないと、必要な権限委譲はできず、意思決定のスピードアップも図れない。本社と現地トップ同士がいかに良い関係を構築していけるかがポイント。
  • 5年もすれば日本と中国のホワイトカラーの給与は逆転する可能性がある。また、中国で日本の役員クラスを雇おうとすると日本のトップよりも高い報酬となり、日本の賃金体系に合わなくなる。さらに、こういった人材を活躍させるには権限委譲をしなければならないため、特に大企業では給与体系と権限委譲の問題がぶつかってくる。
  • 中国で現地の人間を雇用する場合、給与に個人の業績を大きく加味するなど、職場での競争意識を維持する必要がある。その一方で日本人の経営者が立派であれば、多少給与が安くても一緒に働きたいと考える中国人もいる。こういった想いに国籍は関係なく、これまでも立派な日本人のリーダーに付いていきたいと思った人がいたからこそ日本企業は世界で発展してきた。

当日の様子

講義の様子
ディスカッション
多くの企業からご参加いただき、闊達な議論がなされました。

クレジット

主催: フューチャー イノベーション フォーラム