FIF フューチャー イノベーション フォーラム

FIFはさまざまな企業と協力し、社会貢献活動を行う団体です。

プレスリリース

FIF主催セミナー「グローバル競争を勝ち抜く企業経営~変革への挑戦」開催報告

フューチャー イノベーション フォーラム(略称:FIF、代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャーアーキテクト株式会社会長兼社長)は、2015 年2月26日に「イノベーションセミナー」を開催しました。FIFは企業と連携し社会貢献活動を行う団体として2006年に発足し、次世代リーダーの育成と交流を目的としたワークショップやセミナーを開催しています。
今回のセミナーは特別講演に株式会社良品計画の松井忠三会長を迎え、第二部ではダイキン工業株式会社 大森淳一様、日本コカ・コーラ株式会社 岡慎一郎様に加わっていただき、各社の事例紹介の後、参加者との質疑応答形式でパネルディスカッションを行いました。

◆ 講演概要 ◆(敬称略)
■ 第一部 特別講演
 「グローバル競争を勝ち抜くための人間育成・リーダーシップ」
  株式会社良品計画 代表取締役会長兼執行役員 松井 忠三

無印良品は1991年に海外に初出店したが、一時は赤字が続き各店舗の数字を細かく見直しながら戦略の転換を迫られる時期もあった。しかし、世界に存在するのは「グローバル」ではなく「ローカル」だという考えのもと各国に合った戦略を取ることで、2015年1月末現在、海外に301店舗を展開するグローバル企業へと成長した。また仕事の知識やノウハウを仕組み化することで効率化を図っており、業務標準化のマニュアルとして導入したMUJI GRAMは、現場の声を反映しながら常に改定される仕組みを確立している。もちろん海外でも国ごとに現地でアレンジされ、店舗運営や社員教育などに使われている。さらに世界で通用する人材の育成にも力を入れており、たとえば全課長が海外で実務経験を積む制度や、組織力の強化と適材適所への配置を実現するための評価ツールを導入し、部分最適ではなく全体最適となる人事の仕組みを整えた。2013年はオーストラリア、2014年はカナダでも事業をスタートさせた。今後もますます海外でのブランド展開を推進し、売上を伸ばしていきたいと思っている。

■ 第二部 パネルディスカッション
 「グローバル競争を勝ち抜くために日本企業に必要なこと」
パネリスト:
 ダイキン工業株式会社 グローバル戦略本部 営業企画部長 大森 淳一
 日本コカ・コーラ株式会社 人事ディレクター&ストラテジックビジネスパートナー 岡 慎一郎
 株式会社良品計画 代表取締役会長兼執行役員 松井 忠三
コーディネータ:
 明治大学 経営学部 教授 大石 芳裕

大森:ダイキン工業は20年前に国内・欧州・中国・アジアオセアニア・北米の5極体制を掲げ、現在では5極それぞれが3,000~4,000億円の売上基盤を持つグローバル空調企業へと成長した。基本は高付加価値路線だが、地域ごとに異なるニーズに対応するため、商品開発機能の現地化をはじめ地産地消を推進している。従業員数は全世界で6万人、うち日本人は1万人で、多種多様な人材が一緒に働くことが極めて当たり前の状況となっている。これまで海外展開を加速し、それぞれのグループ会社が遠心力を強めてきたが、本社とグループ会社が強い絆の下で連携し、組織としての総合力をさらに発揮するためには、本社の求心力強化が求められる。今後はその地域だけでは解決できないことを他地域の事例やノウハウを活かして提案していくなど、本社がリーダーシップをとり、他地域との連携を強化していくことが重要であり、グローバルでのスケールメリットを活かした調達力の強化にも力を入れていく。またIoT化も重要なテーマのひとつと考えている。
岡 :コカ・コーラ社のなかでも日本は複数の独自ブランドを確立している珍しい存在で、世界で10億ドル以上の売上をあげる18ブランドのうち、日本発は「GEORGIA」、「AQUARIUS」、「綾鷹」、「いろはす」と4つもある。グローバルブランドは米国本社主導の管理を行っているが、日本発、日本独自のブランドについては基本的に日本に任されている。
人材開発における制度面は、日本企業と大差がないように思うが、運用・実行面では大きな差を感じる。コカ・コーラ社では毎年、世界中からハイポテンシャル人材を約40名選抜し、具体的なビジネス課題に対するトップマネジメント層への解決策提案といったアウトプットまでを求めるプログラムを実施している。このプログラムはアジア版などエリアごとにも行われ、グローバル人材の育成を図っている。世界で活躍する人材の共通点は、言語もさることながら軸となるバックグラウンド、スキルを持ちながら、他の地域・国々の特性に合わせ自分自身を適応させているという点にある。日本も学ぶところは多く目指すべきだろう。
松井:ダイバーシティやワークライフバランスは、日本固有の問題と捉えている。アジアでは多くの女性が経営トップを務めているが、女性活用のポイントは残業をいかになくすかということであり、残業をなくすための環境整備が非常に重要である。また、グローバルに何でもできる人は基本的にいないので、ローカルに特化した人材の集団がグローバルに対応できるチームになればよいと考えている。グローバルな仕組みと人材育成は各国、各企業の数だけ方法があると思うが、何が全世界共通で、何が現地適合なのかを選択し、徹底させることが重要だ。当社では標準化がうまくいかない場合、各国の独自のやり方を誰もが見えるようにしている。情報をオープン化することで、課題は8割方解決し、標準化が進む。情報は個に閉じるのではなく、会社に蓄えられる状態を常に目指している。
大石:今回のセッションでは「人材」、「ブランド」、「現地適合化」、「ICT」といったキーワードを軸に、各社の取り組みや考えを共有することができた。グローバル展開において良品計画が行っている総合的な取り組みをはじめ、インターブランド社のブランドランキングで10年以上トップを守り続けていたコカ・コーラ社がどのようにブランドを管理し、グローバル人材を育成しているかを紹介いただいた。また、ダイキン工業は日本の電機メーカで唯一成功しているといってもよい存在だが、なぜその地位を獲得できているのか、具体的な戦略を交えながら解説してもらった。ICTの発展でますますグローバル化が進むなか、モノと人と情報を結びつけることで新たなビジネスが生まれる可能性にも触れた。今後日本が世界と競争していくためにも製造、流通、サービスなど業種に関係なく、互いの取り組みについて学び合い協業することが非常に重要である。

◆実施概要◆
テ ー マ:グローバル競争を勝ち抜く企業経営~変革への挑戦
開催日時:2015年2月26日 15:00~18:00
会 場:ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)
参加人数:約100名

PAGE TOP