FIF フューチャー イノベーション フォーラム

FIFはさまざまな企業と協力し、社会貢献活動を行う団体です。

プレスリリース

第3回 デジタル変革時代におけるテクノロジーとの関わり方の変化
イノベーションワークショップ2017
「Connected Industries~第四次産業革命のその先へ」

フューチャー イノベーション フォーラム(代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長、以下FIF)は2017年12月5日に、イノベーションワークショップ2017の第3回を開催しました。
本ワークショップは、次世代リーダーの育成と業界の枠を越えた企業同士の交流を深める場として、2007年にスタートしました。本年は「Connected Industries~第四次産業革命のその先へ」をテーマに、日本の未来のあるべき姿として、国が実現を目指している産業社会「コネクテッド・インダストリーズ」がどのような社会なのかを紐解きながら、企業や業界が互いにつながり、データを利活用することで生まれる新しいビジネスモデルや付加価値について、全3回にわたって議論しました。


【開催概要】
講演者:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
             技術統括本部本部長 技術統括責任者    岡嵜 禎
テーマ:デジタル変革時代におけるテクノロジーとの関わり方の変化
コ―ディネーター:国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター所長
                                 前川 徹
日 時:2017年12月5日(火) 18:00~20:30
会 場:フューチャーアーキテクト株式会社(東京都品川区)

【講演概要】
◆アマゾンが手掛けるデジタル変革時代の最新テクノロジー
デジタル変革が進み、新しいビジネスをスピーディーに実現することがますます重要となっているが、アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、アマゾンが生み出すイノベーションの数々の技術を支え、その技術を様々な企業がビジネスに活用できるように、低コストのインフラストラクチャープラットフォームとして提供している。
アマゾンの最新技術でいま最も注目されているのは、クラウドベースの音声認識サービス「Amazon Alexa」(以下Alexa)だ。デバイスに話しかけるだけで、音楽の再生や家電の操作、商品の発注などが簡単にでき、その音声認識と自然言語理解はAWS上で行われている。アマゾンは、サードパーティによるAlexaの自社製品への組み込みやアプリケーションの開発を可能としているため、Alexaに対応した製品やサービスが次々に登場しており、2017年1月に米国で開催された世界最大の家電見本市(CES)では、自動車や冷蔵庫、照明器具などAlexaを搭載した製品が700以上も出展された。また日本でもAlexaの音声認識スピーカー「Amazon Echo」が発売されると同時に、100社から250以上のアプリケーションが提供された。同年12月には、AWSがAlexaをオフィスで利用するためのサービス「Alexa for Business」を米国で開始し、会議室の予約や消耗品の補充をはじめ、様々なシーンでの利用が見込まれている。
プロダクトの操作は今後、音声が主流になると言われている。Alexaというプラットフォームを介したビジネスがさらに広がることで、私たちの生活がより便利で快適になっていくことを期待している。

◆最新テクノロジーを活用したサービスの最新事例
日本のAWSクラウドの利用者は、一般企業やIT企業、公共機関などを含め現在10万以上にのぼり、AWSの人工知能(AI)やIoTなどのテクノロジーを活用したビジネスも続々と始まっている。エフエム和歌山は、テキストを音声で読み上げるAIサービスを使って、2017年7月から最新ニュースや天気予報を伝えている。人工音声のためアナウンサーに比べると流暢ではないが、緊急時や災害時に迅速に対応でき、英語や中国語も堪能で、24時間アナウンスし続けられるなど活躍の場は広い。2017年はじめに大きな話題となった日本経済新聞社の「AI記者」は、東京証券取引所の決算短信から、速報テキストを自動生成し配信している。文章の完成度は問題のないレベルであり、何よりも記者が数分から数十分かけて書く記事を10秒もかからずに作成できるというスピードと生産性の高さが、最大のメリットだ。NTTドコモが公開した新サービスは、AIを使って30分後のタクシーの需要が高い場所を予測するもので、携帯電話のネットワークから得られる人口統計データやタクシーの運行状況、周辺のイベント情報、天候などを総合的に判断し、30分後にどのエリアでタクシー待ちの利用者が多いかを予測、タブレットに表示する。実証実験では、サービスを利用した運転手の1ヵ月の売上高が、利用していない運転手の1.5倍という高い効果を得られた。これまで蓄積してきたデータをうまく活用してビジネスにつなげた好例といえる。
テクノロジーの進化は目覚ましく、AWSでもこの数ヵ月で、リアルタイム動画の画像診断ができる機能や、ディープラーニング(深層学習)のアプリケーション開発に使えるビデオカメラ「DeepLens」がリリースされた。何か新しいサービスやビジネスを始めたいと思ったとき、それを可能にするテクノロジーは、実はすでに多く存在している。まずは気軽に試してみてほしい。

◆イノベーションが生まれるアマゾンの企業文化
最後に、アマゾンがイノベーションを生み出し続ける背景にある、企業文化や組織について紹介したい。アマゾンの特色は、徹底した"お客様中心"の視点だ。新しいサービスを考えるにあたっては、まず「プレスリリース」を書くことから始める。ターゲットは誰か、課題に対してどのようなソリューションを提供するのか、顧客はどんなメリットを得られるのか、従来のサービスとは何が違うのかなどを突き詰めて考え明確にし、「いける」と感じたら開発に着手する。併せて長期的な視点を持つことも徹底している。2006年にAWSがスタートした頃、周囲からはクラウドサービスは成功しないと言われたが、成功を信じて続けた結果、いまに至っている。その根底には、100%の成功を確信するまで待つのではなく、70%の可能性を感じたら多少のリスクを取ってでも挑戦する、という考えがある。失敗と発明は切り離せないもの捉え、失敗から学べばよいという姿勢を常に持ち続けている。
また組織については、1つのチームを「2つのピザでランチが足りる程度」の大きさ、つまり平均8~12名程度とし、ビジネスの決定権やオペレーションの権限を持たせている。社員一人ひとりがリーダーシップを意識して行動する文化があり、この小さなチームの集合体だからこそ、どれだけ大きな組織になってもスピーディーに意思決定ができる。デジタル変革時代において、企業はより柔軟かつ迅速に対応することが求められている。こうしたアマゾンの組織の在り方やマインドが何らかのヒントになればと思う。

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